今年は電熱ベストを買って暖かい冬を過ごすぞ~
なんて意気込んでいたのだが、いざ探してみると大変だった。
何が大変ってまずどこで売ってるのかが分からなかった。
ベストだからアパレルかと思ってイオンモールに入っているショップを見回してみたけど、どこにも売ってなかったのだ。
もちろんユニクロにも売っていない。
あれ?おかしいな。
電熱っていうくらいだから家電量販店か?そう思ってヤマダ電機やビックカメラなども回ってみたけど見つからない。
あれれ?なんでだ?おかしいぞ。
電熱ベストってどこで売ってるんだ?
そもそもどこのメーカーが作ってるんだ?
そんな疑問から今回の調査が始まった。
電熱ベストってどんなメーカーが企画製造しているの?
結果から書いてしまうと、作業着メーカーだ。
有名どころでいうと「ワークマン」
ワークマンは車で走っているとお店の看板がチラホラ見えるし、防寒着やアウトドア用の服も揃えることができるので買い物をしに入ったことがある。
でも、一般的には入ったことない人も多いかもしれない。
他には、AITOZ、自重堂、バートル、ジーベック、コーコス信岡、サンエス、桑和、寅壱などの会社がある。
工場や建築/土木など現場で働く人の作業着を作っている会社だ。
こういった作業着メーカーは販売店を持っている会社もあるが、小売店に卸売りするのが一般的。
小売の大きいところではカインズホームとかDCM、ビバホームのようなホームセンターだろう。
大企業相手なら直接受注とかもあるかもしれない。
ワークマンは有名だけれど製造メーカーというよりは販売会社なので、実際に製造しているのは上に挙げた会社のいずれかではないかと思う。いわゆるOEM生産というやつだ。
そして、生産工場はほぼ中国。
大手アパレル会社はベトナムやバングラディシュ、インドなどに生産拠点を移しつつあるが、作業着メーカーの生産工場は未だに中国製がほとんどを占めている。
こと電熱ベストともなれば電子部品を組み込む都合もあり、中国生産の独壇場とも言える。ごくわずかではあるけれども日本国内でがんばって生産している会社もあるが、技術的には先をいかれているのが実情だろう。
ただし、最新の電熱線はカーボンファイバーが使われており、この素材を製造しているのは日本の会社なのだそうだ。
このカーボンファイバー繊維を使うことにより、より暖かく、より持続し、より丈夫な電熱ベストを作ることができる。
アップルのiPhoneでも重要な部品は日本の工場で作られているというが、電熱ベストにおいても同様のことが言えそうだ。
そして、日本で販売されている電熱ベストが上記の作業着メーカーが全て手掛けているのか?というと、そうでもない。
中国の会社が独自で生産販売している電熱ベストがある。
これがAmazonや楽天で大量に販売されているのだ。
しかも結構品質が良くて値段も手頃。種類も豊富。
日本の会社だと検品が厳しくて市場に出すまでにコストや時間が掛かりすぎたりして、なかなか販売までにたどり着かないケースもあるのだが、そういった面倒なことをすっ飛ばして市場に委ねるのが中国式なのだと思う。
だから革新的な商品が出てくるし、値段も安い。
ただし、保証やアフターサポートは期待できないのが欠点。
ここに目を付けた日本のアパレル販売会社が中国工場に直接交渉してOEM生産しているものもある。
日本語がちゃんと通じる分アフターサポートはしっかりしているが、値段は高い。
電熱ベストを作っているスポーツメーカーってあるの?
スポーツメーカーというと、ナイキ、アディダス、プーマ、アシックス、ミズノなどが思い浮かぶ。
けれども、これらのスポーツメーカーでは電熱ベストは販売されていない。
アシックスは工事現場で使う安全靴(つま先が固くなっている靴)を販売しているけれども、電熱ベストまでは見たことがない。
つまり、代表的なスポーツメーカーでは電熱ベストは作っていない。
本当にないのかと思ってよくよく探してみると、モータースポーツジャンルで見つけることができた。
唯一、ダンロップの名前が出てきた。
ん、ダンロップ?
ダンロップって何の会社だっけ?
タイヤ会社だった。
ゴルフやテニスなどでもダンロップの名前はよく聞く。
イギリスの会社だと知って納得。
タイヤ絡みでモータースポーツに進出しており、バイクスーツなども手掛けている。
日本の通販会社と組んで電熱ベストを販売していた。
ダンロップが純粋なスポーツメーカーかといわれるとかなり微妙。
電熱ベストも通販会社の企画商品としてダンロップが名前を貸しているような感じではないだろうか。
ダンロップの電熱ベストだから特別何かが良い、ということは特にない。
電熱ベストって日本で製造している国産ものはあるの?
正直日本で作っている電熱ベストなんてないだろうと思っていた。
それでも、探していたら見つけることができた。
大阪府八尾市のクマガイ電工さんで製造・販売されていた。
しっかりとマイクロカーボンファイバーも使われている。
「SUNART」というブランドの中で、『ぬくさにくびったけシリーズ』の1つに電熱ベストがあった。
専用のモバイルバッテリーを使い、細かいところまで1つ1つ丁寧に検品をされており、不具合が極めて少ないのが特徴と言える。
やはり信頼の日本製といったところか。
ただ、どうしても値段は高くなってしまう。
これは品質が良いのでしょうがない。
そして、残念なのはデザインが高齢者向けなのかなというところ。
電工会社としてサーモスタットやヒーターなどの製造販売を50年以上続けており、電熱アパレル製品は手袋と靴下を2008年から開始しています。
ということは、電熱アパレル製品に関しては14年以上の経験を積んでいるわけで。
製品開発歴としても相当長いことになる。
技術や品質は確かだということだ。
あとはデザインさえよければ・・・
有名なアパレルメーカー、もしくは作業着メーカー、アウトドアブランド、どこでもいいから提携して若者が着そうなオシャレな電熱製品を作ってはくれないだろうか。
切に願ってしまう。
それで結局、電熱ベストってどこで売ってる?
製造メーカーや販売会社はわかったけど、結局電熱ベストはどこで売られているのか。
1つは「ワークマン」
しかし、全国展開しているため1店舗あたりの在庫数が少なく、すぐに売り切れてしまうのが難点。人気も高い。
もう1つはホームセンター。
DCM系列、カインズホーム、ビバホームなどではOEM生産で独自販売をしている。ワークマンほど知られていないし、デザインも普通なので在庫は余り気味。
あとはAmazonや楽天。
中国人経営のショップが多いが、日本人経営のショップから販売されているものを選んだほうがトラブルは少ない。
販売サイトやショップの見極めが必要となる。
作業着メーカーの指名検索をすれば各メーカーの電熱ベストが出てくるので、そこから選ぶ方法もある。
そのためには「バートル」や「自重堂」という名前を知っているかが鍵となる。